※本稿は後編です。前編からご覧いただけるとより楽しめます↓
シキです。嫌いなものはライブハウス内の多過ぎる柵です。川崎CLUB CITTA’がちょうど良い。
前編では楽屋ログインボーナスチャンスゲームの参加方法や流れ、必要な準備するものについてご紹介いたしました。ここから先は、楽屋ログインに当選したハイパー腹ペコ(公式曰く気分がハイで頭がパーな腹ペコ)による体験レポートになります。コッテリと残っている記憶から、マキシマム ザ ホルモンのメンバーと直々に話したやり取りも綴っていきます。転職活動で160社も不採用を食らった鬱くしき腹ペコが、どのようにしてマキシマム ザ ホルモンに謁見できたのか。続きをどうかお付き合いください。 ※以下の文章から常体(「だ・である」調)になりますが、レポートとしての体裁のためです
1.鬱くしき2つの悲劇
悲しいことが2つ起きていた。1つは転職活動を半年以上続けており、当時は160社の企業からお祈りメールを食らっていたこと。ここまで祈りを捧げられると現人神になれるのでは?と思ったが、そもそも正社員にすらなれていないため断念。正直、企業からの不採用が100社を超えてからは段々と自分が社会から不要で、無価値な存在ではないのかと思い込むようになっていた。
もはや職業や企業に対する適性以前に、人間として生きていくこと自体への適性が無いのでは……と鬱屈とした気持ちを抱えたまま10月1日を迎え、大好きなマキシマム ザ ホルモンのライブを観るためにZepp DiverCity(TOKYO)へ足を運んだ。
悲しいことの2つ目。履いていた短パンが、ライブ中にバックリ裂けて逝った。
2022年の京都大作戦で買った、15周年を記念したグッズだ。思い入れ深い短パンがどうしてこうなったのか。遡ることライブ本編の終盤。恒例の恋のおまじないをしたマキシマム ザ ホルモンが、「鬱くしきOP~月の爆撃機~」→「鬱くしき人々のうた」を披露した時に悲劇が起きた。
ダイスケはんが「お前たちの全てをさらけ出せ!」と曲中に煽る。大興奮した私は、「鬱くしき人々のうた」のイントロ終わりからサビに入る瞬間に、ダイスケはんの十八番である大ジャンプを真似た。
その瞬間、「バリッ!!!!」。
爆音の中、ケツの辺りで破裂音が確かに聞こえた。結果として、京都大作戦の貴重な短パンが映画『シャイニング』の名シーンの如くバックリと裂けて、無防備なケツをさらけ出してしまったのである。確かにダイスケはんは「お前たちの全てをさらけ出せ!」と言っていたが、ケツをさらけ出す腹ペコがいたのは想定外だったであろう。
しかしその瞬間に、天啓のようなものを受けた感覚が確かにあった。
「これ今日楽屋ログインできるんじゃね?」と。
そう思った。
禍福は糾える縄の如しという言葉がある。悲しいこと(禍)があればその分幸せなこと(福)があって、人生は表裏一体であるという意味だ。実は私は、ライブ中から楽屋ログインボーナスチャンスゲームに当たるだろうという謎の確信を持っていたのである。
その後はライブに夢中だったので、アンコールまでホルモンのライブを満喫した。ケツ丸出しのまま。
2.鳴り響く鐘の音《楽屋ログイン当選》
ホルモンによる熱狂的なライブが終わり、ケツ丸出し糞坊主こと私は速やかに退場した。参加する際の準備を済まし、懸命に案内・誘導をしているスタッフに確認した。どうやらライブフロアではなく通路の階段付近から楽屋ログインボーナスチャンスゲームの参加待機列ができているようだ。
ファミコンのゲーム風にアレンジされた「ロッキンポ殺し」8bitバージョンが場内に流れる。私 a.k.a. ケツ丸出し糞坊主の準備したものは、当日に買った腹ペコ・エボリューションギアと、プルーフはたったの2つ。
正直、付け焼き刃といった状態だ。他の参加者と比較すると圧倒的にマウントを取られている。「情けないし、恥ずかしい……」と思った。何より、アラサーが通気性MAXの破けた短パンを履いている時点ですでに生き恥とケツを晒し続けている。並んでからおよそ20分経った頃、ついに自分の番がやってきたのであった。
プルーフ2つをBETしてゲーム開始。タブレット上でドット絵のマキシマムザ亮君が走る。1つ目のブロックはハズレ。もう残りはあとひとつ。「こんなもんだよなぁ」と苦笑いしつつ2つ目のブロックを亮君が叩いた。
何かが出てきて、めっちゃ亮君がデカくなった。眼の前のドット絵亮君は任天堂の赤帽ヒゲよりも遥かにでかい。当選した瞬間は、まるで他人事のように感じた。「楽屋ログインです。おめでとうございまーす!」とスタッフの声。周りからは祝福の拍手。そこで「……マジ?」と自覚した。夢にまで見た、あのマキシマム ザ ホルモンの楽屋に入ることになった。
からお祝いに2本目のモンスターエナジーが貰えた。
待機場所に案内され、ほかの当選者のお二方とお話した。一人はここ半年でホルモンを好きになった方で、もうひとりはいさごさんという方。彼は腹ペコ歴約20年とのこと。3人で当選の喜びを徐々に受け入れて、現実を噛み締めていた。余談だがミミカジルのスタッフさんに確認したところ、サインはNGだった。
3.実は「はじめまして」ではない《独占雑談記録》
中学2年生の時に友達の歌ったカラオケで「爪爪爪」を知り、本家のMVを見てからはダイスケはんのデスボイスとパフォーマンスを何度も真似した。大学ではコピバンで学園祭のトリも務めた。そんな私がついに、我が人生にロックの雷を落としてくれたマキシマム ザ ホルモンの楽屋に入ることになった。
ノックして入室。
「お疲れ様です!すみません、失礼いたします。お邪魔します。」
ホルモン一同「おぉ~!(私の坊主頭を見て早速合掌する)」
「いやいや、やめてください笑 この度は本当にありがとうございます。本日は終演後でお疲れの中、楽屋ログインの機会を頂けまして……」
亮君「なんか堅いな笑」
「中学2年生から約15年間ずっとホルモンが大好きで、こうして直接お会いできて嬉しいです!本当にありがとうございます!」
ナヲ&ダイスケはん「いえいえ、こちらこそ本当にありがとうございます!」
ホルモン一同がお礼をした。恐縮の極みだった。
「実は、皆さんとお会いするのは初めてではなくて。一度お仕事でお会いしまして……」
ホルモン全員が「えっ?」とした表情を浮かべる。
ナヲ「お仕事って、こっち関係?(再び合掌して南無南無のジェスチャーをする)」
「いえいえ!私は住職ではないです笑 実は、新木場STUDIO COASTのライブを関係者席で拝見しまして。終演後にタナケンさんが立ち会って、ホルモンの皆さんから関係者への全体挨拶という場面で直接お会いしました。」
昔、関係者としてお会いしたことを伝えた。
ナヲ「えぇ~!?そうだったんだ!」
ホルモン一同「その節は本当にお世話になっております。」
今度は深くお辞儀をされてしまった。これ以上無いほどのこそばゆい気持ちになる。
亮君「今日はチケット取って来てくれたの?」
「はい。プライベートです……今はもう退職しているのですが、改めてこうして出会うことができて、本当に嬉しいです。改めてありがとうございます!」
ダイスケはん「いや〜そうだったんか!こちらこそ改めてありがとう!!」
太陽族のような坊主をイジられつつ雑談できた。メンバー全員、汗だくなのに歯磨き後のような爽やかな良い匂いだったのを覚えている。特に亮君からの「PTPのバッジだ!好きなの?」と気づいてくれたのも嬉しかった。Vap時代のタナケンさん繋がりもあり、Pay money To my Painとの交友もあったのかをお伺いしたかったが、時間はあっという間でスタッフさんからメンバー全員との握手と写真撮影の案内を受けた。
上ちゃんは人見知りからか、直接会話を交わせなかった。あれだけ公演中はDANGER×FUTOSHIでブイブイいわせていたのに。普段とライブのオン/オフ具合が、TVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の後藤ひとり(結束バンド)みたいだなと、いま振り返って思う。
4.おしりを出した子 一等賞
楽屋ログイン中に、ひとつ狙いがあった。この破けた短パンのケツでホルモンメンバーからウケが取れるのではないのかと。昔ホルモンのDVDで見たダイスケはんの穴が空いたボクサーパンツのように。
メンバー全員との写真撮影と温かい握手を交わし、亮君から楽屋ログインプルーフを直々に授与された後、私から話を切り出した。
「実は最後に、ご報告がありまして……」
ダイスケはん「ん?なになにどしたん??」
「ホルモンの皆さんが「鬱くしき人々のうた」を演っていただいた時に、大ジャンプしたらこうなってしまいました。」
SHANKの庵原さんか、あるいはSTOMPIN’BIRDのYASUさんよろしくケツを晒した。バックリ裂けた京都大作戦の短パンからは、ボクサーパンツが”こんにちは”している。
その瞬間、驚きと大爆笑だった。
亮君「うわっ!!ヤッバ笑笑笑」
上ちゃん「うわぁ笑笑笑」
ナヲ「ヤダぁ~~もう!笑 どうしたのコレ~!?笑笑」(どこか母性を感じる反応)
「いやだって一番大好きな「鬱くしき人々のうた」を演ってくれたから、こうなっちゃったんですよ!!!」(あくまで被害者を装う糞坊主)
ダイスケはん「笑笑笑 君コレ帰りどうやって帰るん!?笑笑笑」
結果は大成功。これ以上と無い腹ペコ冥利に尽きる瞬間だった。15年以上笑顔をもたらしてくれたロックバンドに、恩返しとして楽屋で全員から大爆笑を取れたのだから。2024年10月1日。あの日世界で一番『おしりを出した子 一等賞』だったのは、私だったと思う。
去り際に「一生愛してます!」とホルモンに愛の告白をし、ケツを押さえてモジモジ退室。その様子でさらにひと笑いが起きたところで、私はマキシマム ザ ホルモンの楽屋からログアウトした。
5.最後に ~人生はチョコレートの箱~
マキシマム ザ ホルモン並びに関係するスタッフの皆様、そしてここまでご覧いただいた読者の方へ、心より感謝の意を表する。
「Life was like a box of chocolates. You never know what you’re gonna get.」
(人生はチョコレートの箱のよう。開けてみないと中身は分からない。)
大好きな映画のひとつである、『フォレスト・ガンプ』の名言を結びに添えつつ。
何事もやってみないと分からない。今回ホルモンに会えたのも。ケツで唯一無二の笑いの恩返しができたのも。たったのプルーフ2枚だけでゲームに挑戦したからだ。ぜひ楽屋ログインボーナスチャンスゲームがこれからもあるのであれば、絶対参加してほしい。ドット絵の亮君がブロックを叩くまで、何が起きるか分からないのだから。
蛇足だが、ライブ後に転職活動では内定がようやく取れた。160社落とされようが転職の軸をブラさずに応募し続けた結果だ。しぶとく挑戦することも重要だと思う。なんだか説教臭い締め方だが、結局はケツ丸出し糞坊主による、説法ですらない与太話だ。しかも私の面カテゴリーは太陽族ではない。(カロリーメイツだ)
腹ペコ歴15年以上の鬱くしき腹ペコによる楽屋ログインボーナスチャンスゲームの体験談は以上だ。バックリ裂けた京都大作戦の短パンを、洋服お直し店「銀の糸」へ出しに行くのでここまでとする。
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