彗星が夢に届く瞬間、その先にあるのは。星街すいせいによる過去・現在・未来が交差した超常的な武道館公演をレポート【ホロライブ史に残る革命前夜】

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私は観たことが無かった。革命前夜を。常にクライマックスで繰り広げられる現在を。それが、星街すいせいによる”終わらない終止符を打ち続けるライブ”だということに気がついたのは、彼女が今まで届けたことのない【ピリオドにまつわる新曲】を歌い終えた時だった。

類まれなる歌唱力を持つ星街すいせい。それでも「comet」では歌声に少し震えが入った。心の震えや感動が現れたのだ。なにせ、初配信から口に出していた憧れのステージ。そこで個人勢時代からの人気曲を歌っている。感極まらない方がおかしい。もう二度と着ることは無いとされていた、初期衣装のまさかの3D化。原点とも言える素朴な出で立ちは、見慣れているはずなのに、その日集った目撃者たちの感動を大いに巻き起こしていた。

実在する巨大な日の丸の旗と、星街すいせいの身長と同じ高さほどの、バーチャルの旗。7年越しとなる夢の舞台に立つ意義を、武道館のステージに自身の旗を挿すことで表現していた。彼女の後ろに掲げられた白旗は、決して降参の意味ではない。時に装飾品としての美しい白のベールのように見える時もあれば、旗の中で彗星のごとき光を放ち、まばゆい烈火をほとばしらせる。まるで星街すいせいという概念が込められたような非常に存在感のある旗だった。

終盤の「明日も会おうね」という言葉。つまり、この日はホロライブ史に残る革命前夜だということ。武道館に立った青くてかわいい偉大な革命家でさえも、この瞬間に過去になる。本当の革命は未来にあって、その未来とは現在の連続であるというメッセージのように聞こえた。

そして観客を驚かせた、来年に行われる武道館公演の再演決定というアナウンス。これだけは言える。未来の武道館は再演ではない。同じ時は二度とやってこないからだ。必ずや星街すいせいは、我々の想像する未来を超えた、終わらない終止符を打ち続けるライブを再び魅せるのだろう。

これからの思い出。矛盾しているような言葉だが、星街すいせいによる革命前夜を振り返ると納得がいく。
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この記事を書いた人

シキのアバター シキ ライブハウスとネットカルチャーの狭間に生息中

元音楽WEBメディア出身の編集・ライター。月間約180本のネットニュースを作成し、ライブレポやCDレビューのメディア掲載実績あり。学生時代は通算100本以上ライブを演っていた。音楽を知り、より好きになるきっかけを作りたくて記事を執筆する。中2でホルモンにハマり初音ミクに恋をして、気がつけば15年以上の音楽ジャンキー。面カテゴリーはカロリーメイツ。ラーメンはライフライン。

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