Zepp DiverCity (TOKYO)で行われたKen Yokoyamaのライブ”The Golden Age Of Punk Rock Tour” Extrasに足を運んだシキである。セットリストの最後に「Brand New Cadillac」がプレイされた時、熱く滾り過ぎてフルモッシュしたら知らないオッサンに「ナイスモッシュですね」と褒められた。今でも照れる。
久しぶりの挨拶はさておき、本日はアルバム単位で聴いても聴き応えがあり、スルメ作品といっても過言ではない音楽に出会えたのでレビューする。東京のオルタナ・グランジロックバンド Gretchen Grundler(グレッチェン・グランドラー)による2ndデモEP『Lame Vibes』だ。本作品がハードコア/ボカロ/パンク/VTuber/メタル/スカ/アイリッシュなどを主に聴くリスナーが聴いてみても、たまらなく良い。
※ご利用中のサブスクで 「Lame Vibes」と検索してチェックしてほしい。(2025/03/01時点でアーティストページと作品ページが別々となっており見つけづらいため)
1曲1曲のヤミツキ具合は、おそらく音楽ジャンキーであればあるほどクると考えられる。デジタルハードコアやミクスチャー、グランジの黒おでん状態だ。色んな出汁が効いていて結論最高。だが、いちばん大事なのは温度だ。それはライブでもおでんでもそう。そこで下北沢THREEにて開催された以下の公演で現場確認を行った。
2025年4月1日(火)下北沢THREE
ariskskarisk pre“1996”
ACT
Laget’s Jam Stack
Gretchen Grundler
SPOILMAN
Guido
結論から言うと、音源とは裏腹にグラデーションで徐々にヒートアップするライブであった。初手トップギアでブッ飛ばすタイプだと仮説を立てていたが、やはり現場に足を運ばないとわからないものだと反省。それほどまでに目が離せないライブであった。私がお酒を飲める体質であるならば、ぜひハイネケンを両手に持ってツーステップを踏んでハードコアに耽りたい。グレッチェンはそんなおっかない引力、もとい魅力がある。グレッチェンより後の出番だったSPOILMANこそ、1音目からダチョウ倶楽部の”口喧嘩チュー芸”が如きアツさだったのだが、それはまた別の話。マジでグランジ癇癪玉ロックバンドだから、いつかつづりたい。
とにかく、TikTokやインスタのストーリーを眺めるよりGretchen Grundler(グレッチェン・グランドラー)による2ndデモEP『Lame Vibes』を聴き続けたほうが人生的により豊かになれる。以下は彼らのプロフィールなので、少なくとも最後まで読んでほしい。
2022年より東京を中心にライブ活動を開始。轟音と鋭利なサウンドで、聴く者の耳を切り裂くような衝撃を与える。2025年、待望の2ndデモEP “Lame Vibes” をリリース。
前作同様、レコーディングからデザイン、盤の作成までをメンバーと同志たちによる完全DIYスタイルで制作。グランジ、オルタナティブを基盤に、サイケデリックやポストハードコアの要素を血肉化し、深淵なるサウンドを追求した意欲作だ。
荒々しいドラムが鼓膜を打ち抜く”Module of the Dogma”、キャッチーなメロディと攻撃的なリフが絡み合い、中毒性を生み出す”Modesty Blaise”、ソリッドなサウンドと絶叫が織りなす緩急が、聴く者を狂騒の渦に巻き込む”Vital, Vivid Instruction”、ギターノイズとタイトなリズム隊が織りなすトランシーなグルーヴが、意識を彼方へと誘う”My Justice”、そして、ソリッドかつ退廃的なアンセム”P.N.E”。全5曲を通して、人々の心に潜むVibesをバンド独自の解釈で表現。リリック、サウンドの両面から、その深遠な世界観を堪能できる。
Mix/Mastering : shusuke kanjou
Art work : okgen
Photo : syotaro hidaka
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