12年追っかけているキッズ兼音楽ライターが綴るSiMの歴史と文化的背景【祝20周年/KiLLiNG ME/ツーステップ/ディッキ族/Deviluse】

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高校時代、予備校の自習室でMAHのAmebaブログを4周読んでいたシキだ。ツーステップは蝶のように華麗に舞うスタイルより、海外ニキのように腕をぶん回すワイルドなスタイルが好きである。

SiMが20周年を祝したライブをぴあアリーナMMで開催する。結成から20年。人間なら産声を上げて成人式を挙げる年月だ。ついこの間はBRAHMANやKEMURI、RIZEが20周年イヤーを迎えていた気がする。この感覚は親戚や知人の子供だけでなく、バンドにもあるようだ。

今更だが、SiMは湘南発のGODRi (ゴリ, Dr) / SIN (シン, Ba) / MAH (マー, Vo) / SHOW-HATE (ショウヘイト, Gt)からなる4人組レゲエパンクバンドだ。正式名称はSilence iz Mine(静寂は我のもの)という意味で、音楽における絶対的要素である静寂(間)を、自分たちのものにするという由来がある。

本稿では、SiMのこれまでの印象的な経緯や功績と、私がリスナーとして感じていた事を記していく。その当時の音楽リスナーの様子も歴史的に振り返っていけたらと思う。以下のいずれかに当てはまる読者は、ぜひ暇な時間やSiMのライブ前日、物販の待機時間に読んでみてほしい。

・SiMの20周年イベントに参加する人(#SiM20th)
・進撃の巨人をきっかけにSiMを好きになった人
・SiMのこれまでの歴史や文化的な背景を知りたい人
・SiMの20周年を祝いたい人
最近のSiMはだいぶヘビーになってニューメタル要素強いけど、正直『LIVING IN PAiN』ぐらいのスカやハードコアパンク路線に戻ってきてほしいという、歪んだ愛が深いSiMのファン

目次

1.決して楽な道ではなかった10 YEARS(2004~2014年)

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2014年、新宿バルト9にて行われた映像作品『10 YEARS』の舞台挨拶兼上映会で撮影したポスター。

波乱万丈と書いてシム(SiM)と読んでも差し支えない。それほどまでにSiMは困難や葛藤を乗り越えてきたバンドだ。一人しかオリジナルメンバーがいないほどのメンバーチェンジ。北海道で起きたレコ発ツアー中でのSHOW-HATEの脳梗塞。さらにはソニーからの解雇&リリース中止という、作った音源が権利的に全部リリースできなくなったこともある。一からアルバムを作り直すという事態は極めて困難であることは、ファン視点でも容易に伺える。(その結果、ラウドロック界の金字塔的作品『SEEDS OF HOPE』が生まれる訳だが)

それでも不屈の精神で活動し続けた彼らは、”生きるということ”がテーマとなる三部作(『LIVING IN PAiN』/『SEEDS OF HOPE』/『LiFE and DEATH』)をリリースしていく中で知名度と実力を上げていく。そこから晴れてユニバーサルから再びメジャーデビューを発表。SiMとしては『PANDORA』レコ発ツアーのファイナルにて、当時彼らのキャリアでは最大規模の新木場STUDIO COAST公演をソールドアウトさせた。

2.AMY, BUN DEM OUT(全部焼き尽くしちゃえ、エイミー)

私は2012年頃にSiMの「Amy」に出会った。剣道部の同級生が教えてくれたのを覚えている。MVはゴシック調で、ひとつの短編映画のようなストーリーがSiMのレゲエパンクと共に展開される。見ごたえのあるミュージックビデオだ。

なお、同楽曲が収録された『LiFE and DEATH』は全曲粒揃いの名盤なので聴いたことない方は必聴である。(傾向として、SiMはミニアルバムの方が実験的で私は好きだ)

SiMは流行を作るのが本当に上手かった。魔性の魅力を持つ「Amy」は、当時の流行りだったダブステップ(ドラムと重低音を特徴とする電子音色の強い音楽ジャンル)要素を2番サビ後に取り入れていた点も含め、極めてセンセーショナルだった。ベースのSINに影響を受けたであろう、Hot Hand3という指輪型のエフェクターを使う地下インディーズラウドロックバンドは、少なくとも当時3つほど観たことがある。

ツーステップ(激しいハードコアのビートに合わせて踊るダンス)を流行らせたのもSiMだ。彼らの音楽に出会ったキッズの大半はツーステップを体得し、当時のTwitterで一度はMAHの糞コラ画像を見たはずだ。ファンのユーモアや出来心によるものだろうが、現時点ではさほどネットミーム化(インターネット上で話題になった文章や画像、動画などのコンテンツが改変されてさらに拡散される現象)されていないので良かったと安心している。一方で、次の章ではファッションの流行について触れていく。

3.当時のキッズがこぞって着ていたブランド

流行りやトレンドでいうと、当時のファッションはDeviluseのパーカー、まだGEN氏が手掛けていたSubcietyのシャツ(PTPのKが着ていた印象)、rudiesのスナップバック(10-FEETの印象)といったものがキッズからは好まれていた。(もちろん今も支持されている)

SiMやFACTがDeviluseを愛用していたのもあり、比較的リーズナブルなDeviluseはライブキッズ御用達の素晴らしいファッションブランドだった。

そして色とりどりのディッキ族がライブ会場のそこら中にいた。今は一時期に比べて少なくなってはいる。当時履いていた彼らは、もう仕事や育児などで卒業し、ディッキーズのハーフパンツは押し入れに仕舞われてしまったのだろうかと思うと切ない。帰ってきてほしい。

余談だが、この時の時代背景は、まだとあるバンドがブラジャーのホックを外す前である。どこのハコでもTHE NINTH APOLLOのグッズを見かけるほど流行る前からディッキ族は確かにいた。

ブラジャーのホックを外す歌い出しはパンチラインすぎるMy Hair is Badの代表曲「真赤」

4.最後に(あなたのSiMはどこから?)

先述のとおり私のSiMは「Amy」だったが、読者のSiMは何の曲からだろうか。ぜひコメントかXのリプで教えてほしい。

まだ DEAD POP FESTiVALの初の野外開催、武道館と横浜アリーナでの成功、コロナ禍でのSiM、進撃の巨人とのタイアップなどに触れられていないが、一旦はここまでとする。申し訳ないが理由としては、明日2024年11月2日のSiM 20TH ANNiVERSARY 「20YEARS」に私は参加するにあたり、心身の体調を整えつつツーステップがまだ踏めるか確認したいからだ。

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この記事を書いた人

シキのアバター シキ ライブハウスとネットカルチャーの狭間に生息中

元音楽WEBメディア出身の編集・ライター。月間約180本のネットニュースを作成し、ライブレポやCDレビューのメディア掲載実績あり。学生時代は通算100本以上ライブを演っていた。音楽を知り、より好きになるきっかけを作りたくて記事を執筆する。中2でホルモンにハマり初音ミクに恋をして、気がつけば15年以上の音楽ジャンキー。面カテゴリーはカロリーメイツ。ラーメンはライフライン。

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