ハッピーだけでは決してない20周年イベントだった。なぜなら、人生に辛く悲しいことがあれば楽しく嬉しいことがあるように、湘南で生まれたレゲエパンクバンド SiMも、艱難辛苦を乗り越えて今日という晴れ舞台を迎えられたからである。そんな彼らの歩んできた20年分の道のりを表現したようなライブであった。
貴重なMAHのギターボーカルで披露した「Come Together」。ロックで成功しなければ27歳で死ぬと決めていた若き日にカバーしたThe Beatlesを、今鳴らす。SiMがまだ無名だった時代の葛藤が背景にある、闇を帯びたグランジやレゲエが確かに感じられた。
“毎日が楽しいだけじゃない。この20年間は浮き沈みが激しくて、うんざりする日も多かった。だけど、生まれ変わってもSiMでいたい”といった旨のMCをした。その言葉にすべてが詰まってると感じた。その後に演奏したのは、拭えない悲しみや孤独感が感じられるギターのイントロから始まる「Life is Beautiful」。進化しつつも本質は同じなまま、直向きにバンド活動を続けてきたからこその重みのあるパフォーマンスだった。
もちろん、現在進行系で成長し続けるSiMの攻撃的でアツいライブであったのは間違いない。ただ今日のSiMは、紆余曲折ありつつも”世界のSiM”に至るまでの歴史を振り返ることのできる特別なライブだった。
対バンのライブレポートは以下のリンクから読めるので、併せてチェックしてほしい。
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