夜通しの大熱狂!生粋のライブバンドらが集った”CHUMP!! FEST EXTRA” -2024 FINAL-をレポート【UNMASK aLIVE / 43K&cheapsongs / ReVERSE BOYZ / CODE AXE / JasonAndrew / View From The Soyuz / kOTOnoha】

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注意:大変申し訳ないが、全ラインナップのライブレポートではない事を予めご容赦いただきたい。(電車遅延と休憩により一部のバンドが観られなかったため)

シキだ。最近は新発売の缶チューハイの期間限定フレーバーで季節の訪れを感じている。

本稿では11/9から11/10にかけて開催されたオールナイトイベント”CHUMP!! FEST EXTRA” -2024 FINAL-の模様を一部お届けする。主催者のRyosei(JasonAndrew)の声がけによって集められて実現した、激アツな同イベント。読者にはぜひご覧いただいた上で各バンドの音楽を聴いてみて、ライブへ行ってみてほしい。

目次

1.京都の盟友 UNMASK aLIVE(アンマスク アライブ)

2021年の共同企画やコラボTシャツの販売など、JasonAndrewにとっては盟友といって違いない京都のUNMASK aLIVE(アンマスク アライブ)。聴き手を惹きつけるポップセンスが光るメロディ、それが彼らなりのメロディックハードコアの強みだ。

ベースの音はバキバキでかつ、バンドサウンドの和を乱さない音作りで聴き惚れてしまう。よく観るとリク(Ba)の後ろにあるベースアンプには、範馬刃牙が描かれたタペストリーかポスターのようなものが飾ってあった。もしかしたら安直かもしれないが、”ベースの音作りをバキバキに仕上げているぞ”という印象操作かもしれない。

「今日が終わって、最後に友達と挨拶する時はさよならじゃなくて、ありがとうと言おう。」そう伝えたKD(Vo)の曇りのない視線とメッセージには、刹那的なライブに対する確かな愛がある。そのMCのまま「9号線の果てに」へ繋いでいく演出には心打たれた。

2.43K&cheapsongs(シミケーアンドチープソングス)は最速ハードコア(?)でチルい

43K&cheapsongs(シミケーアンドチープソングス)は自身の音楽について、全バンドの中で最速ハードコアとMCで謳っていた。ゆえに、ここから先のレポートは大きな解釈違いかもしれない。が、それでも鳴っていた音と受け取ったことについて記していく。

レゲエとシティポップ、ファンクなラップ、ポエトリーリーディングも織り交ぜたチルい音楽を鳴らす。ドラム、ベース、ギター、コーラスにボーカル。無印良品のようにシンプルイズベストなバンドサウンドだからこそ、聴衆に心地よく染み渡っていった。本当に最速ハードコアなのだろうか。

特に、テクニカルなドラムフレーズを平然とこなすEiji Nagamatsu(Dr)の姿に、大人の色気と余裕が感じられた。そしてユーモア溢れるMCをした43K(Vo)。彼のダンディで伸びやかなボーカルはとても聴いていて音楽に酔わせてくれる。思わずお酒……ではなくトニックウォーターが進んだ。(禁酒中)

後日譚だが、彼らの公式サイトを確認したら「湘南発、酒エモ系、スロー&リラックスサウンド」と自己紹介をしていた。本当に最速ハードコアなのだろうか。

3.大阪のヤバい兄ちゃんたち ReVERSE BOYZ(リバース ボーイズ)

湘南乃風の名曲「睡蓮花」が流れる中で姿を現したのは、”NEONINJA HARDCORE”を掲げるReVERSE BOYZ(リバース ボーイズ)。もしや踊れるレゲエロックを披露するのか……と思いきや、音楽は極悪。全員ヤバい兄ちゃん感で溢れている。街で目を合わせるのは難しい。

しかしヘビーなハードコアを軸に、Limp Bizkitからの影響が感じられるニューメタルを掛け合わせたライブには、目が釘付けになってしまう。豪快なブレイクダウンを、幾度となくフロアにぶち込む。ならず者のようなサウンドの中で、特にギターがソリッドな音色でクールに感じられた。

終始、危険な”NEONINJA HARDCORE”を観客に対しお見舞いする彼らを見て、あるバンドを思い出した。そうだ。大阪にはハードコアパンクの重鎮Sandがいる。彼らもヤバい兄ちゃん感が尋常ではない。どうやら大阪のスリル満載なハードコアシーンは層が厚いということを、ReVERSE BOYZを見て痛感した。

4.CODE AXE(コード アックス)による長崎の謹製メロディックハードコア

拳を挙げざるを得ないメロディックハードコアとは彼らのことだ。何度も彼らを観ているが、拳を挙げなかったライブは無い。それほどまでにCODE AXE(コード アックス)の演奏には心打たれる。ドラムとベースによるスピーディなリズム&グルーヴに、クセになるメロディアスなギターが駆け抜けていく。そこに突き抜けるような芯のあるボーカルが乗って響かせる。堪らない。

ライブでは原曲のライブアレンジがカッコいい。曲間の巧みな繋ぎも含めて現場ならではの大きな魅力を持っている。今回はギターアンプの機材トラブルがあったものの、それでもHiro(Gt/Cho)のアツいギターソロは観た者の目と心を惹きつけた。

「長崎の佐世保から、横浜B.B.streetの忘年会で遊びたいので来ちゃったぜ!Ryosei(JasonAndrew)、呼んでくれてありがとう。遠いけど横浜B.B.streetに来れて本当に良かったです。来年も新しい作品を出して、またここに来たいです!ありがとうございました!」といった旨のYu(Vo/Gt)によるMC。早口で聞き取りづらかったものの、どうやらCODE AXEは車で16時間かけてでも仲間の元へ駆けつける、心意気までとことんカッコいいバンドのようだ。

5.横浜B.B.streetのヌシ JasonAndrew(ジェイソンアンドリュー)、登場

さっきは大阪のヤバい兄ちゃんたちが好き勝手演ってくれたが、ここは関内。何を隠そう横浜B.B.streetには、ヌシといっても過言ではない4人組がいるのだ。

JasonAndrew(ジェイソンアンドリュー)のライブが始まる。今回のセットリストでは未発表曲を2曲披露していた。しかし、それでも十分盛り上がるのは、横浜B.B.streetが彼らのホームでかつ、遊び場であり、歴戦の地でもあるからこそである。加えて、現場主義に則ってフロアにいる観客との関係性を築き上げてきたからだ。

同バンドのフロントマンであり、”CHUMP!! FEST EXTRA” -2024 FINAL-主催者のRyosei(Ba/Vo)の声がけによって集められた今回のラインナップ。オールナイトで最高に楽しいイベントにしたいという気概が感じられた。併せて、出演者たちへのリスペクトは当然欠かしていないが、対バンである以上は絶対に負けられない。そんなハングリー精神が今日は特に強く感じられるライブだった。

ちなみに、彼らのライブにおける楽しいハイライトを振り返ると、「Vintage」前にステージ上で横浜B.B.streetのAyumu店長がシャンパンを豪快に飲むシーンがあった。これもBBのヌシがゆえに成せるハードコアな御業(みわざ)だろう。 念のためお酒は適量が一番だと書き添えておく

6.View From The Soyuz(ビュー フロム ザ ソユーズ)という新時代メタルの絶対強者

ティガレックスを思い出した。轟竜と称される、モンスターハンターシリーズに出てくる恐ろしく獰猛なドラゴンだ。

それほどまでにView From The Soyuz(ビュー フロム ザ ソユーズ)は、純然たるメタルを轟かせていた。新曲はストップ・アンド・ゴーとでもいうべき曲展開が痛快で、キレが良い。全編通じてまさしく”獰猛”の一言に尽きるサウンドであった。

ライブ中にあれほど図太いガテラルボイスを聴いたのは久しぶりだった。ガキ大将のジャイアンより遥かに図太い。しかも結成4年目で、すでに仕上げられたライブのクオリティ。イマイチなメタルコアバンドや売れきった中堅バンドにありがちな、中だるみやスタミナ切れは一切ナシ。常時スタミナMAXで、パワフルかつアグレッシブにパフォーマンスを繰り広げた。末恐ろしいとはこのこと。

7.段違いな言葉の重みを届けたkOTOnoha(コトノハ)

「トリのkOTOnoha(コトノハ)は、二日酔いの後の水」と共演者から例えられたらしい。確かに、抒情系のポストハードコアに乗せられた言葉には、日常の中で心に溜まっていた鬱憤やストレス、ネガティブな感情がすっきり浄化させられた。蛇足かもしれないが、”横浜Ryosei”というパンチラインには流石に吹き出してしまった。機転とユーモアに富んでいる。 ※横浜発のJasonAndrewのRyoseiを、人気俳優の横浜流星にかけてもじっていた

ポエトリーリーディング、アドリブで聴かせる巧みな言葉遊び、ラップの真っ直ぐなメッセージ。どれも全てkOTOnohaが発する言葉であり、観客はひとり残らず心を鷲掴みにされ、横浜B.B.streetをエモーショナルな空間としてひとつにしていた。

終盤に「バンドの告知じゃないんですが、またここに来てください」と啓志(Vo)が言い残した。”CHUMP!! FEST EXTRA”で何よりも印象深いMCだった。どこまでも現場に直向きで、彼らが優しい真心を持つバンドであるのは間違いない。

8.”CHUMP!! FEST EXTRA” -2024 FINAL-プレイリストを聴く

Spotifyでプレイリストを作成した。こちらは私が独自で本稿に出てきたバンドのセットリストにできる限り寄せて作成したので、ぜひライブだけでなく音源作品も聴いてみてほしい。

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この記事を書いた人

シキのアバター シキ ライブハウスとネットカルチャーの狭間に生息中

元音楽WEBメディア出身の編集・ライター。月間約180本のネットニュースを作成し、ライブレポやCDレビューのメディア掲載実績あり。学生時代は通算100本以上ライブを演っていた。音楽を知り、より好きになるきっかけを作りたくて記事を執筆する。中2でホルモンにハマり初音ミクに恋をして、気がつけば15年以上の音楽ジャンキー。面カテゴリーはカロリーメイツ。ラーメンはライフライン。

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